「今年こそ痩せる!」と意気込んでみたものの、何をどれだけ食べればいいのか分からない…。
闇雲に食事を減らしては、空腹に耐えきれずリバウンド。流行りの〇〇抜きダイエットを試しても、思うように結果が出ない。そんな経験、ありませんか?
こんにちは!理想の体を目指すすべての人を応援する、ダイエット専門ブロガーのKAIです。
これまで数々のダイエット情報に振り回されてきたあなたに、今日こそ、本質的で、かつ一生使える「ダイエットの羅針盤」を手に入れていただきます。
その羅針盤の名は「TDEE」。
「また新しい横文字…?」と身構える必要はありません。このTDEEこそが、あなたのダイエットを成功へと導く、最も重要な鍵なのです。
この記事を読み終える頃には、あなたはこう思うはずです。
- 「なるほど、だから今までのダイエットは上手くいかなかったのか!」
- 「これなら私にもできる!明日から何をすべきか明確になった!」
さあ、長年のカロリー計算の悩みから解放され、科学的根拠に基づいたスマートなダイエットを始めましょう!
TDEEとは?- あなただけの「取扱説明書」を手に入れる
まず、結論からお伝えします。
ダイエットの成功は、以下のシンプルな原則に基づいています。
摂取カロリー < 消費カロリー
食べたもののカロリー(摂取カロリー)が、体で使われるカロリー(消費カロリー)よりも少なければ、体重は減っていく。ただ、それだけなのです。
ここで多くの人がつまずくのが、「じゃあ、自分の消費カロリーって一体いくつなの?」という疑問です。
その答えこそが、今回ご紹介するTDEE(Total Daily Energy Expenditure)、日本語で「総消費カロリー」です。
TDEEとは、あなたが「1日を通して消費する全てのカロリーの合計値」のこと。
つまり、TDEEは、あなたという人間が1日を過ごす上で、どれだけのエネルギーを必要とするかを示した、いわば「あなたの体の取扱説明書」に書かれた燃費のようなものなのです。
なぜ、このTDEEがそれほど重要なのでしょうか?
それは、TDEEを知ることで、「どれくらい食べれば太らず、どれくらいに抑えれば痩せるのか」という明確な基準値が手に入るからです。
これまでのように、「なんとなくご飯を半分にする」「とりあえずサラダチキンを食べる」といった、曖昧で根拠のないダイエットとはおさらばです。TDEEという絶対的な基準を持つことで、あなたは自信を持って食事管理を進めることができるようになります。
あなたのTDEEは何でできている?消費カロリーの4つの秘密
「消費カロリーって、運動で消費するカロリーのことでしょう?」
そう思っている方も多いかもしれませんが、実はTDEEは、以下の4つの要素によって構成されています。そして、この内訳を知ることが、より効率的なダイエット戦略を立てる上で非常に役立ちます。
1. 基礎代謝量 (BMR – Basal Metabolic Rate)
TDEEの中で最も大きな割合(約60%)を占めるのが、この**基礎代謝量(BMR)**です。
基礎代謝とは、心臓を動かす、呼吸をする、体温を維持するなど、人間が生命を維持するために最低限必要なエネルギーのこと。たとえ一日中、ベッドで寝ていても消費されるカロリーです。
基礎代謝は、年齢、性別、身長、体重、そして特に筋肉量に大きく影響されます。筋肉が多い人ほど基礎代謝は高くなるため、「筋トレをすると痩せやすい体になる」と言われるのはこのためです。
ダイエット中に極端な食事制限をすると、体は筋肉を分解してエネルギーを作り出そうとします。その結果、基礎代謝が落ちてしまい、かえって痩せにくく、リバウンドしやすい体になってしまうのです。
2. 食事誘発性熱産生 (TEF – Thermic Effect of Food)
意外に知られていませんが、私たちは食事をすることでもカロリーを消費しています。食べたものを消化・吸収する過程で、体内で熱が発生し、エネルギーが使われるのです。これを**食事誘発性熱産生(TEF)**と呼びます。
TDEEに占める割合は約10%ほどですが、侮れません。
このTEFは、栄養素の種類によって消費されるカロリーが変わります。
- タンパク質:摂取カロリーの約30%
- 炭水化物:摂取カロリーの約6%
- 脂質:摂取カロリーの約4%
そう、タンパク質が最も多くのカロリーを消費してくれるのです。ダイエット中に高タンパクな食事が推奨される理由の一つが、ここにあります。
3. 運動による消費カロリー (EAT – Exercise Activity Thermogenesis)
これは皆さんがイメージする通り、筋トレやランニング、ヨガなど、意図的に行う運動によって消費されるカロリーです。
もちろん、運動はダイエットにおいて非常に重要です。しかし、TDEE全体に占める割合は、人によっては10%〜30%程度。EATだけに頼ったダイエットには限界があることも覚えておきましょう。
4. 非運動性活動熱産生 (NEAT – Non-Exercise Activity Thermogenesis)
そして、現代人にとって非常に重要でありながら、見過ごされがちなのが、この**NEAT(ニート)**です。
NEATとは、運動以外の日常生活における活動で消費されるカロリーのこと。
具体的には、
- 通勤や通学での歩行
- 家事(掃除、洗濯、料理)
- デスクワーク中の姿勢の維持やタイピング
- 階段の上り下り
- 買い物
といった、日々の細々とした動きすべてが含まれます。
「ちりも積もれば山となる」を体現するのが、このNEATです。デスクワーク中心の人と、立ち仕事で常に動き回っている人では、このNEATに大きな差が生まれます。
運動する時間を確保するのが難しい人でも、
- エレベーターを階段にする
- 一駅手前で降りて歩く
- こまめに立ち上がってストレッチをする
といった工夫でNEATを高めることができます。意識的に日々の活動量を増やすことが、ダイエット成功の隠れた鍵となるのです。
【実践編】さあ、あなたのTDEEを計算してみよう!
お待たせしました!ここからは、実際にあなたのTDEEを計算していきます。電卓やスマートフォンの計算機アプリをご用意ください。
計算は3つのステップで完了します。少し複雑に見えるかもしれませんが、一つずつ丁寧に行えば大丈夫です。

理学療法士
にーや
ここで「やるか」「やらないか」で今後痩せるかどうかが決まってきます。知識だけでは痩せません。行動を変えましょう!
ステップ1:基礎代謝量 (BMR) を計算する
まずは、あなたの生命維持に必要なカロリーであるBMRを算出します。ここでは、最も広く使われている「ハリス・ベネディクト方程式(改良版)」を使用します。
【ハリス・ベネディクト方程式(改良版)】
- 男性: 13.397×体重(kg)+4.799×身長(cm)−5.677×年齢+88.362
- 女性: 9.247×体重(kg)+3.098×身長(cm)−4.330×年齢+447.593
ステップ2:あなたの活動レベルを選択する
次に、あなたの普段の活動量が、以下の5つのレベルのうちどれに当てはまるかを選択します。正直に、客観的に選ぶことがポイントです。
- レベル1:活動レベルが低い(指数:1.2)
- 在宅ワークやデスクワークが中心。
- 通勤や運動の習慣はほとんどない。
- レベル2:活動レベルがやや低い(指数:1.375)
- デスクワークが中心だが、週に1〜2回程度の軽い運動(ウォーキング、ストレッチなど)を行う。
- レベル3:活動レベルが普通(指数:1.55)
- 立ち仕事や、体を動かす機会が多い仕事。
- または、デスクワークでも週に3〜5回、中程度の運動(筋トレ、ジョギングなど)を習慣的に行っている。
- レベル4:活動レベルが高い(指数:1.725)
- 運送業や建設業など、体を激しく動かす仕事。
- または、週に6〜7回、高強度のトレーニングを行っている。
- レベル5:活動レベルが非常に高い(指数:1.9)
- プロのアスリートや、肉体労働と激しいトレーニングを毎日行う人。
ステップ3:TDEEを算出する
最後のステップです。ステップ1で計算したBMRと、ステップ2で選んだ活動レベルの指数を掛け合わせます。
TDEE = BMR × 活動レベルの指数
【計算例:A子さんの場合】
ここで、具体的なモデルケースで計算してみましょう。
- 名前: A子さん
- 性別: 女性
- 年齢: 32歳
- 身長: 160cm
- 体重: 58kg
- 職業: デスクワーカー
- 運動習慣: 週2回、仕事帰りにジムで1時間ほどの筋トレと有酸素運動
ステップ1:A子さんのBMRを計算 9.247×58kg+3.098×160cm−4.330×32歳+447.593 =536.326+495.68−138.56+447.593 =1341.039 A子さんのBMR:約1341 kcal
ステップ2:A子さんの活動レベルを選択 デスクワーク中心で、週2回の運動なので「レベル3:活動レベルが普通(指数:1.55)」が妥当でしょう。 ※もし運動習慣がなければ「レベル2」になりますが、定期的なジム通いは「中程度の運動」と考えられます。
ステップ3:A子さんのTDEEを算出 1341kcal(BMR)×1.55 (活動レベル指数) =2078.55 A子さんのTDEE:約2079 kcal
この計算により、A子さんは1日に約2079kcalを消費していることが分かりました。つまり、毎日2079kcalの食事を摂っていれば、体重は維持されるということです。
※計算が面倒な方は、「TDEE 計算」と検索すれば自動計算サイトがたくさん見つかりますので、そちらを利用するのも良いでしょう。
TDEEを制する者はダイエットを制す!具体的な活用法
さて、あなたのTDEEが分かりましたね。ここからが本番です。この数値をどうやってダイエットに活かしていくのか、具体的な戦略をお伝えします。
1. 目標摂取カロリー(アンダーカロリー)を設定する
痩せるためには「摂取カロリー < TDEE」の状態、いわゆるアンダーカロリーを作る必要があります。
脂肪1kgを消費するためには、約7200kcalのマイナスカロリーが必要です。これを1ヶ月で達成しようとすると、
7200kcal÷30日=240kcal/日
つまり、毎日TDEEから240kcalを引いたカロリーを摂取すれば、1ヶ月で約1kgのペースで痩せていく計算になります。
一般的に推奨されるのは、TDEEから300〜500kcalをマイナスした数値を目標にすることです。これなら、1週間で約0.5kg、1ヶ月で2kg程度の健康的なペースで減量を進められます。
先ほどのA子さん(TDEE: 2079kcal)の場合、
2079−400=1679kcal
となり、1日の目標摂取カロリーは約1680kcalに設定できます。
【超重要:守るべき鉄則】 アンダーカロリーを設定する際、絶対に摂取カロリーがあなたの基礎代謝量(BMR)を下回らないようにしてください。 BMRは生命維持に必要な最低限のエネルギーです。これを下回る極端な食事制限は、筋肉を大幅に減少させ、代謝を著しく低下させます。その結果、停滞期を招き、リバウンドのリスクを極限まで高めてしまう、最もやってはいけない行為です。
2. PFCバランスを意識する
目標カロリーが決まったら、次はその内訳、つまりPFCバランスを考えます。PFCとは、三大栄養素である
- P:タンパク質 (Protein) – 1gあたり4kcal
- F:脂質 (Fat) – 1gあたり9kcal
- C:炭水化物 (Carbohydrate) – 1gあたり4kcal
のことです。
ただカロリーを抑えるだけでは、健康的に美しく痩せることはできません。筋肉を維持し、肌や髪のツヤを保ち、元気に活動するためには、この3つの栄養素をバランス良く摂ることが不可欠です。
ダイエット中の理想的なPFCバランスの目安は以下の通りです。
- P (タンパク質): 体重(kg) × 1.5〜2.0g
- 筋肉の材料。最優先で確保したい栄養素。
- F (脂質): 総摂取カロリーの20〜25%
- ホルモンバランスの維持に必須。良質な油(魚、アボカド、ナッツなど)を選びましょう。
- C (炭水化物): 残りのカロリー
- 活動のエネルギー源。食物繊維が豊富な玄米やオートミールなどがおすすめ。
A子さん(目標1680kcal)の例で計算してみましょう。
- P (タンパク質): 58kg×1.8g=104.4g (約418kcal)
- F (脂質): 1680kcal×25%=420kcal (約47g)
- C (炭水化物): 1680−418−420=842kcal (約210g)
このように、1日に何をどれくらい食べれば良いかが、グラム単位で明確になります。「あすけん」や「MyFitnessPal」などの食事管理アプリを使えば、簡単に記録・計算ができます。
3. TDEEは定期的に見直す
忘れてはならないのが、TDEEは一度計算したら終わりではないということです。
あなたの体重が減れば、それに伴って基礎代謝量もTDEEも減少します。例えば、体重が5kg減ったのに、ダイエット開始時と同じカロリー設定のままでいると、いつの間にかアンダーカロリーが小さくなり、停滞期に陥ってしまいます。
1ヶ月ごと、あるいは体重が3〜5kg変動するたびに、TDEEを再計算し、目標摂取カロリーを微調整していくことが、停滞期を打破し、継続的に成果を出すための秘訣です。
まとめ:TDEEは最強の武器、しかし囚われすぎるな
今回は、ダイエット成功の羅針盤となる「TDEE」について、その意味から計算方法、具体的な活用法までを徹底的に解説しました。
【本日のまとめ】
- TDEE(総消費カロリー)は、あなたの1日の消費カロリーの合計値。
- 「摂取カロリー < TDEE」がダイエットの絶対原則。
- TDEEは「基礎代謝」「食事誘発性熱産生」「運動消費」「NEAT」の4つで構成される。
- TDEE – 300〜500kcalを目標摂取カロリーに設定する(ただしBMRは下回らない)。
- カロリーだけでなく、PFCバランスを意識して、健康的に痩せる。
- 体重が変化したら、TDEEを再計算して計画をアップデートする。
TDEEは、あなたのダイエットを論理的かつ効率的に進めるための、間違いなく最強の武器です。
しかし、最後に一つだけお伝えしたいことがあります。
それは、「数字の奴隷にならないで」ということです。
TDEEやPFCバランスは、あくまで目標達成のための「目安」です。日々の体重の微々たる増減に一喜一憂したり、1kcal単位で神経質になりすぎたりする必要はありません。大切なのは、自分の体と向き合い、その変化を感じながら、長期的な視点で継続していくことです。
今日の食事が少しオーバーしてしまったら、明日のNEATを少し意識して増やしてみる。そんな柔軟な考え方が、ダイエットを苦しい修行ではなく、楽しい自己管理のゲームに変えてくれます。
さあ、あなただけの羅針盤は手に入りました。 あとは、自信を持って、未来の自分に向かって一歩を踏み出すだけです。
あなたの挑戦を、心から応援しています!