現代のデスクワーカーにとって、猫背は見過ごせない問題です。

長時間のデスクワークやスマホの操作によって姿勢が崩れ、肩こりや腰痛、集中力の低下など、様々な健康リスクが潜んでいます。

この記事では、猫背が体に与える悪影響を詳しく解説し、簡単にできるストレッチもご紹介していきます。

この記事を読んでわかること
  • 猫背が及ぼす影響
  • 猫背がデスクワーカーに多い原因
  • 簡単自宅エクササイズ

猫背が体に与える悪影響

猫背は体の見た目だけでなく、内面にも大きな影響を及ぼします。例えば、以下のような問題が挙げられます

  • 筋肉の緊張:首や肩周りの筋肉が硬くなり、慢性的な痛みを引き起こす。
  • 内臓の圧迫:胃や肺が圧迫され、消化不良や浅い呼吸の原因となる。
  • 血流の悪化:筋肉が凝り固まることで、全身への血流が滞る。

筋肉の緊張

猫背が筋肉の緊張を引き起こすのは、体のバランスが崩れることによるものです。

猫背では、肩が内側に巻き込まれ、胸や肩の前側の筋肉が縮んで硬くなる一方で、背中の筋肉は伸ばされて弱くなるという筋肉の不均衡が発生します。

この不均衡は、体を支えるために特定の筋肉が過剰に働き続ける原因となり、持続的な緊張を生み出します。

さらに、猫背は頭の位置を前方にずらし、首や背中の筋肉に余分な負担をかけます。

頭が1センチ前方に移動するごとに、首や背中にかかる負担は10%増えるとされています(Hansraj, K. K. 2014)。

内臓の圧迫

背中が丸まり、胸郭が下方向に押しつぶされることで、内臓が正常な位置から圧迫され、機能が低下する原因となります。

特に、胸や腹部の空間が狭くなることで、消化器系や呼吸器系の働きに悪影響を及ぼします

これにより、胃もたれや便秘、さらには逆流性食道炎などの症状が現れることがあり、特に食後に猫背でいると胃酸が逆流しやすくなり、胸やけを引き起こすリスクが高まります。

血流の悪化

猫背になると、背中や肩が丸まり、胸部が圧迫されることで、心臓から血液を全身に送る力が弱くなります

これにより、血流が滞りやすくなり、特に腕や脚などの末端部分への血流が不足することがあります。

さらに、筋肉が不自然に緊張することも血流に悪影響を及ぼします。

筋肉が固くなることで血管が圧迫され、血液の流れが妨げられ、最終的には体全体に必要な酸素や栄養素が十分に届きにくくなります。

血液循環が悪化すると、疲れやすさや冷え性、むくみなどの不調が現れやすくなるので注意が必要です。

猫背は様々な悪影響が身体に及ぼすので注意が必要

デスクワーカーのほとんどは猫背!?

パソコンを使用して仕事をするデスクワーカーが近年増えており、ほとんどが猫背姿勢になってきています。

その理由は座って仕事をするという特性にあります。大きく分けて以下の4つが挙げられます。

1. 長時間同じ姿勢で座る

デスクワークを長時間続けることで、自然と姿勢が崩れやすくなります。

座る姿勢が長時間続くと、筋肉が疲労し、柔軟性が失われて、背中や肩周りの筋肉が固まり、正しい姿勢を保つことが難しくなります

2. パソコンやスマホの使用頻度の高さ

現代のデスクワーカーにとって、パソコンやスマートフォンは欠かせないツールです。

しかし、長時間画面に集中していると、どうしても顔が前に突き出てしまいます。

この姿勢は「ストレートネック」や「前傾姿勢」と呼ばれ、首や肩に負担がかかり、筋肉が緊張します。

ストレートネック

画面を見る際、目線を下げすぎたり、画面を遠ざけすぎたりすると、首に余計な負担がかかり猫背の原因となり、特にスマホを見るときは、首を下に曲げて長時間使用してしまうため、姿勢が悪化しやすいです。

3. 筋力や柔軟性の低下

猫背を防ぐためには、正しい姿勢を維持できる筋肉が必要です。

筋力が低下すると、筋肉が支えるべき体の骨格をしっかりと支えられず、背中が丸くなることがあります。

主に必要な筋肉は

広背筋:背中の安定性を高める筋肉

腸腰筋:股関節周りを安定させる筋肉

菱形筋:肩甲骨を寄せるための筋肉

などです。

また、柔軟性が低下していると姿勢を維持するのが難しくなり、肩こりや腰痛を引き起こす原因にもなります。

4. 座り方の悪い癖

座り方にも、猫背を引き起こす癖があります。

骨盤が後傾すると、背中が丸くなり、肩が前に出てしまうため、無意識のうちに猫背になりやすいです

また、足を組むことで骨盤が歪み、股関節や体幹周囲の筋力低下、しまいには腰痛などにもつながる可能性があります。

これらの原因を理解し、対策を取り入れることで、デスクワーク中でも健康的な姿勢を保つことができます。

猫背は今日で卒業!自宅でできる簡単エクササイズ3選

ただ意識するだけでは姿勢はなかなか変わりません。

必要な筋肉を活性化し、構造的に硬くなっている関節周辺は柔軟であることが重要です。

自宅エクサイズ1

小胸筋
  • 鎖骨の外側2/3のところにある小胸筋という筋肉のマッサージ
  • 鎖骨の下のくぼみに対して垂直で指を押し当てる
  • 30秒~1分痛気持ちいいぐらい押してほぐす

自宅エクササイズ2

  • 両手を上から下へ、肩甲骨を寄せるように下げる
  • 体が前かがみにならないように胸を張る
  • 30回3セット

自宅エクササイズ3

  • 仰向けになり両ひざを立てる
  • 首の下に手を置き、あごを引きながらその手を押しつぶすように力を入れる
  • 息を吐きながら5秒キープを10回

まとめ

猫背は見た目だけでなく、筋肉の緊張や内臓の圧迫、血流の悪化など、健康に大きな影響を与えます。パソコンやスマホの普及で姿勢が崩れる人が増えていますが、正しい知識と対策で猫背は改善でき、健康的な姿勢を取り戻せます。できる範囲の簡単なエクササイズから取り組んで、快適なデスクワークを目指していきましょう!